川のそばにいくと、水面(みなも)が陽の光に当たってキラキラとしているのがよくわかった。


ここまで近くで見たことがないのだろう。


彼女は目を大きく見開いて、川を見つめていた。


「きれい…」


思わず出たのであろう言葉の後に、慌てて手で口を押さえた。


目があうと、彼女は気恥ずかしそうに下を向いた。



自分はかがんで石ころを拾った。


何事かと不思議そうにしている彼女に、見てて、という合図を目で送り、水面に沿って投げとばす。


石が飛沫をあげながら、向こうまで跳ねていった。