【短】旅立ちの日に




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大きな荷物を背負って、自分は彼女の家へと訪れた。


おそらく一睡もしていなかったであろう彼女は、目が真っ赤であった。


「僕は生きて帰ってきますよ」


自分は彼女の手を取った。


「だから、笑って待ってて下さいね」


優しく握りこんだ。



彼女の背後で、彼女の母親が父親の肩で泣いているのがみえた。


彼女は、険しい顔をして一つ頷いた。


何か言いたいことがあるのかもしれない。


笑おうとしてくれたのかもしれない。


泣くのを我慢しているのかもしれない。