旅立ちの日の前の夜 自分は短い夢を見た。 彼女が、ひたすら戦地を駆け回っている夢だった。 自分の映った写真を取り出して泣き、 ボロボロになりながら、逃げ惑っている夢だった。 起きると自分の目に涙が溜まっていた。 リアルな夢だった。 正夢にはなって欲しくない夢だった。 彼女の笑顔を見れたあの幸せな頃に戻りたかった。 初々しく照れる彼女がたまらなく愛おしくて。 彼女を手放して自分が遠くに行ってしまうことが悔しくて悔しくて。 涙を拭う。 もうしばらくすると夜があける。