【短】旅立ちの日に




主幹は困り果てた顔をこちらに向けた。


そして彼女に顔を上げるように言った。


彼女は、真っ赤な瞳でこちらをみた。


涙でひどくむくんだ顔は余りにも痛々しかった。



自分は、彼女の元へと駆け寄った。


彼女は、そのまま自分に抱きついた。


こんなにも苦しそうに泣く人を知らない。



主幹も唇をギュッと噛んでいた。


警備の人も辛そうに見ていた。


自分は、目をつぶって彼女をかたくかたく抱きしめた。