【短】旅立ちの日に




焦る思いで彼女の家に再び戻り、電話をお借りした。


「……本当ですか?」


何件かにかけると、みつかった。


彼女は予想外のところにいた。



受話器を置くと、自分は後ろを振り返った。


「…自分の職場の主幹とお話されているようです」


彼女の父親と母親の顔色が変わった。


「そんなところに…」


自分は翻って玄関にいく。


「連れ戻して参ります」


敬礼をしてから、家を出た。