それから二週間後、見知らぬ船団が発見された。どこの国のものかも分からない。
それを聞くと橿原は、知りあいの船だとだけ言った。

船団は何事も無く港に着き、荷下ろしを始めた。

「ありがとう」

「急に言うから大変だったんだぜ」

上背のある、日に焼けた男。おそらく橿原中将の知り合いだ。

「どこからこんなものを運んで来たんでしょうか……?」

ずっと近くにいた田中が言った。
船団は荷下ろしを終えるとすぐに帰って行く。

「田中、すぐに取りかかりますよ」

「えっ!?」

遠江の建造はすぐに再開された。遠江は異例の速さで工事が進んで行った。