5分くらい漕ぐと、団地まで来た。
 この団地は菅谷団地といい中学生も沢山いるし、とりあえず家がたくさん建っている。
 家と家の間の道から何が出てくるのかはあんまり見えなくて、いちいち一旦停止しなきゃ危ない。


 ──なんてことは聖の頭の片隅にもなく、


 「うわーんっ、もう間に合わない!!」


 と独り言を呟きながら漕ぎまくる。
 両道から車とか人とか出てくるなんて思いもせず、急ぐ。

 そのときだった。