「おーい、聖?」

 「あ、うん!」


 いつの間にか無意識のうちに駅の方を見て止まっていた。
 先に行ってる想汰が不思議そうな顔でこっちを見ている。

 こんなにも気になってしまうのはなんでなんだろう。


 京がイケメンだったから?
 京が優しかったから?
 京と朝、一緒に行けることになったから?


 ──考えたら頭がごちゃごちゃしてきた……。


 あんまり考えないようにしよう。
 ──そう思いながらペダルを踏んだ。