「園川く「京でいい」


 年上だから流石にと思い園川くんって言おうとしたら遮られた。
 

 「ていうか時間、ぎりぎりだろ」

 「え、待って、何分!?」


 遅刻ギリギリだったことを思い出し、膝の痛さに耐えながらばっと立ち上がり
 自転車を置いてるところまで走った。


 「8時」

 「もう遅刻確定じゃん……」


 さらっと時間を教えてくれた京こそ遅刻じゃないの?
 と、ヘルメットをかぶりながら思う。


 「あ、高校は9時からだからいいんだよ。
  お前ぜってぇー俺も遅刻するって思ったろ?」

 「……京って心読めるの?」

 「だってお前そう言いたそうな顔してたから」


 京は私のほっぺを優しくつねった。
 ──私今、絶対顔真っ赤だ。