「お前、怪我してんだろ。
  さっさと来い」


 と彼はちょっと苛立ったような感じで言ってきた。
 納得出来ないまま自転車を元に戻してバックをかごに入れてゆっくりと押す。
 
 ちょっといいなあって思うのは、私に速さを合わせてくれてるとこ。


 しばらく歩くとある1軒の家に彼は入って行った。
 不審に思いながら家の前で突っ立ってると、


 「なにしてんだよ。
  チャリ止めてこっち来い」


 とぶっきらぼうに言われた。