結局
ハルトは、かなりご機嫌に
寝室のひとつを、完全に占拠
キングサイズのベットを中心にして
ベビールームを作ってしまった
「おい…真木、いいのか?」
「んあ?何が?」
「…いや」
「心配しなくても
ハルトはホントに、ガキ好きだからな」
「…マジか?」
「毎年、クリスマスには
ハルトほら
自分で衣装とか作れるだろ?
熊のぬいぐるみ作ったりして
いろんな所に、贈ってるんだぜ
アイツ」
「………」
そんなキャラだったのか
ハルトって
「岡田君」
「ん?!」
奥のベットルームから
シャツを腕まくりしたハルトが
ツカツカと、俺に向かって歩いて来た
「この子、何処にいたの?」
「…俺の部屋の前だけど」
「何か一緒に 置いてあった?」
… 出したのは
赤ん坊の胸の上に
一枚だけ残された
白い 便箋みたいな紙
「キミの名前も
母親の名前も書いていないね
両隣には 誰が住んでいるのか知ってる?」
「あ… ――」
そうか…