途端に空気が動いて 真木は真っ先に 井上さんの腕を掴んで ベランダの窓に、鍵をかけ 俺もハルトを 部屋の中へと押し込んで ドアの鍵を、後ろ手にかける 「――… 月姫?」 激しく泣く声 綺麗な瞳と 小さな手は 今、抱かれている ハルトにではなく ただ真っすぐ、母親に 向けられていた ―――