「好きなの、瑛翔じゃなきゃダメなの!」
小さい時からずっと一緒、何回好きだって伝えたか分からない。
でも彼はいつだって素っ気ない返事で
「それ、昨日と同じ台詞」
まるで壊れたレコードを再生しているように呆れながらため息をついた。
「それは瑛翔が」
「分かったよ、付き合ってやる」
「だからわたしは、ってえ?」
いきなり告白にオッケーをもらった。これが無欲の勝利ってやつかな?
「いいの、ほんとに?」
「ただし、条件がある」
一体どんなことを言い出されるのかと不安になり彼をまっすぐ見つめた。
「付き合ってることは内緒にする、オレは来る者拒まずのスタンスを変えるつもりはない」
それ思っきし浮気発言、でもこれを飲まないと付き合うことすらなしって言われてしまうだろう
だからわたしは
「分かった、今はそれでいい」
だって最初に好きになったのはわたしだから
わたしが瑛翔を好きなんだから、恋人になってくれただけ譲歩してくれたんだよね?
いつか必ずわたしを好きにしてみせる
そう心に誓って彼との交際をスタートさせる。
