「今の私たちにはどうしようもないわ。さ、仕事をしましょう。」
「…はい。」
「大丈夫よ。2人共ちゃんと戻ってくるから。」
「はい。」
マリーの微笑みを受けてようやくミライにも笑みが戻ってくる。
どうか無事に帰ってきますように。
それだけを祈りながら2人は静かに持ち場に戻ることにした。
「ありがとう!」
講習会が行われている大学に着くなり栢木は飛び降りてダンに告げた。
「気を付けるんだぞ!」
いつもと様子が違い焦りが見える声をかけたが栢木は背中に受けるだけで返事はない。
懸命に走り遠ざかっていく栢木の姿を見送りながらダンは少し嫌な予感がした。
「何事もなければいいが…。」
見守る人たちの声は今の栢木には聞こえない。
全力で走りきって会場に辿り着いても既に閉場された後で誰も残ってはいなかった。
まるで見捨てられた人の様に扉にすがり付いて息を整える。
「まだ近くに居る筈。」
自分を奮い立たせて栢木は再び走り出した。
少しずつ薄暗くなる景色に焦りが加速させられ栢木の目には涙が浮かび始める。
口元に拳を当て、北都を目指して走り続けた。
頼んでもいないのに昼間に聞いたメイドの言葉が思い出され心は余計に締め付けられるのだ。
もし北都が、自分を見限ってしまったとしたら。
「…はい。」
「大丈夫よ。2人共ちゃんと戻ってくるから。」
「はい。」
マリーの微笑みを受けてようやくミライにも笑みが戻ってくる。
どうか無事に帰ってきますように。
それだけを祈りながら2人は静かに持ち場に戻ることにした。
「ありがとう!」
講習会が行われている大学に着くなり栢木は飛び降りてダンに告げた。
「気を付けるんだぞ!」
いつもと様子が違い焦りが見える声をかけたが栢木は背中に受けるだけで返事はない。
懸命に走り遠ざかっていく栢木の姿を見送りながらダンは少し嫌な予感がした。
「何事もなければいいが…。」
見守る人たちの声は今の栢木には聞こえない。
全力で走りきって会場に辿り着いても既に閉場された後で誰も残ってはいなかった。
まるで見捨てられた人の様に扉にすがり付いて息を整える。
「まだ近くに居る筈。」
自分を奮い立たせて栢木は再び走り出した。
少しずつ薄暗くなる景色に焦りが加速させられ栢木の目には涙が浮かび始める。
口元に拳を当て、北都を目指して走り続けた。
頼んでもいないのに昼間に聞いたメイドの言葉が思い出され心は余計に締め付けられるのだ。
もし北都が、自分を見限ってしまったとしたら。



