「どうせ死ぬんだから。」あれはつまりそういうことだったのだと。
「これは血液の病気で幸いにも俺は超初期症状から気付いていた。だから現段階の症状とこれから来るであろう症状に効果のある薬草を使って作っていけばいいだけだ。」
他の開発者には分からない患者ならではの鮮明な感覚が活かされる、それは北都にとって大きな強みになったのだ。
しかし本人が語ったように順調にはいかず失敗も多く繰り返した。
効果があると期待されて飲んだ薬は合わなかったり、またそれによって悪化することもある。
1つ薬を作っては服用し、服用している間に次の薬に取りかかる。
そうしている間にどんどん月日は流れていった。
「若いから進行も早い。どんどん変わる症状に開発が追いつかなくなった。」
薬の副作用か症状からか嘔吐も繰り返し、目眩や頭痛にも襲われる日々。
しかしそれでも周りの人間に気付かれる訳にはいかないので必死に日々を生き抜いていた。
講演会に出向いては新しい情報を取り入れ自身の研究に活かせるのかを思考する。
家に戻れば書物を読み漁るか薬を開発するかに没頭していた。
「そうしてやっとあの薬が出来上がったんだ。…栢木が屋敷に来る3年は前の話だ。」
「はい。でも遠いあの場所でも北都さんの薬の話は耳にしたことがありますよ。」
「そうか。」
嬉しくない話なのだろう、北都は他人事のように手元に視線を向けたままそう答えるだけだった。
確かに今の話を聞く限りでは薬の開発をどれだけ賞賛されても本人にすれば喜ばしいだけではないものだということが分かる。
「薬が出来て振り返れば、今までの失敗作も立派な薬になることが分かった。俺の病には合わなくても活かされる道はあると思ったんだ。」
だから養子にしてもらった恩返しにその開発した薬全てを相麻社長に差し出したのだと北都は続けた。
「それはもう…驚いていたよ。」
自虐的に笑うと北都はまた遠い目をする。
「これは血液の病気で幸いにも俺は超初期症状から気付いていた。だから現段階の症状とこれから来るであろう症状に効果のある薬草を使って作っていけばいいだけだ。」
他の開発者には分からない患者ならではの鮮明な感覚が活かされる、それは北都にとって大きな強みになったのだ。
しかし本人が語ったように順調にはいかず失敗も多く繰り返した。
効果があると期待されて飲んだ薬は合わなかったり、またそれによって悪化することもある。
1つ薬を作っては服用し、服用している間に次の薬に取りかかる。
そうしている間にどんどん月日は流れていった。
「若いから進行も早い。どんどん変わる症状に開発が追いつかなくなった。」
薬の副作用か症状からか嘔吐も繰り返し、目眩や頭痛にも襲われる日々。
しかしそれでも周りの人間に気付かれる訳にはいかないので必死に日々を生き抜いていた。
講演会に出向いては新しい情報を取り入れ自身の研究に活かせるのかを思考する。
家に戻れば書物を読み漁るか薬を開発するかに没頭していた。
「そうしてやっとあの薬が出来上がったんだ。…栢木が屋敷に来る3年は前の話だ。」
「はい。でも遠いあの場所でも北都さんの薬の話は耳にしたことがありますよ。」
「そうか。」
嬉しくない話なのだろう、北都は他人事のように手元に視線を向けたままそう答えるだけだった。
確かに今の話を聞く限りでは薬の開発をどれだけ賞賛されても本人にすれば喜ばしいだけではないものだということが分かる。
「薬が出来て振り返れば、今までの失敗作も立派な薬になることが分かった。俺の病には合わなくても活かされる道はあると思ったんだ。」
だから養子にしてもらった恩返しにその開発した薬全てを相麻社長に差し出したのだと北都は続けた。
「それはもう…驚いていたよ。」
自虐的に笑うと北都はまた遠い目をする。



