帽子のおじさん

帽子にマスクで、完全怪しい見た目になったその男は、ふぅ、と一安心したようで、また深く帽子を上から押さえた。


「ありがとー。ねぇちゃん。」


「あ…はい…。」


私は次こそ立ち去ろうと回れ右をする。


「あー、ちょ、ちょい、待った。」


何すか!?


すかさず男の方を振り返る。


「御礼に君の悩みでも聞くよ」


私の警戒レベルはさらに上昇した。


純粋な親切心なのか?それは。


それとも新手の犯罪手口か?


まさか私、襲われるとか?


いやそんな、仮にこのおじさんがロリコンだとして、私みたいな普通の女子高生は的ではない。


浅田さんのような、きれいな黒髪ロングの美人ならわかるが。