帽子のおじさん

私はそう言われるとスッと肩の力が抜けたような気がした。


「…マジで?」


「うん。そう、そんな感じにね。素で話すと良いよ。」


私は男のペースに飲み込まれるように、隣に腰をおろした。


「そんな風に感情の表と裏が激しいのは、自分の思い通りにならないことが多いんだろう。きっと。」


ホームレスが何故こんなに親身になってなって聞いてくれるのか。


男は加えていた煙草を2センチ程短くなったあたりで地面に手で押し消した。


私はその行為が気に入らず、文句を言った。


「おっさん、煙草は携帯灰皿にでも捨てろよ。」


「あー、悪い。今度からそうする。」


「素直だね。」