「いーじゃんかよ、それとも俺と出かけんの、嫌か?」
明らかにしょぼんと落ち込んでる海斗に胸が、締め付けられる。
もう、なんでいちいち海斗に振り回されなきゃいけないのっ。
「なぁ湊ー、海いこーぜ?」
「うっ……」
悲しげに下がる眉にまた胸が苦しくなる。
振り回されたくないって思うのに、気になってあたふたしたりして……。
海斗のこういう子犬みたいな所に弱いんだ。
「別に……嫌とは行ってないからっ」
「よっしゃ!なら、決定な?予定連絡すっから!」
海斗と文子の3人で、初めてお昼ご飯を一緒に食べた日に、なんとなく連絡先を交換した。
自分からははずかしくて連絡なんて出来ないけど、海斗も文子も、そんな私に時々メールをくれたりするんだ。
海斗に限っては、面白いテレビがやってるだの、くだらないことが多いけど。
それを、私はどこかで楽しいって感じてる。


