「えと、心にはいるって意味かな、湊ちゃん」
すると、文子から助け舟が出た。
それにホッと胸をなでおろして頷く。
「そ、そう……そういう意味だよ」
「んー……なんか、誤魔化してねぇ?」
なんか、海斗が鋭い……。
探るように私の顔を凝視する海斗から、パッと視線を逸らした。
「し、してないから……」
これ以上見られると、ボロが出そう。
「ならいいけどよ……」
――ポンッ。
えっ……。
そう言った海斗が、私の頭に手を乗せる。
最近、海斗が私によくする仕草だった。
「でも、前にも言ったと思うけど、俺はお前の味方だかんな?いつでも、寄りかかりたい時は寄りかかれよ?」
心配……してくれてるんだよね。
なのに、そこまで言ってくれてるのに……。
ごめん海斗、私が弱いせいで。
「海斗……うん、ありがとう」
それ以上を返せないことが申し訳なくて、私はぎこちなく笑って、お弁当に視線を落としたのだった。