「おい湊、大丈夫か?」
早織を見つめていると、それを遮るように海斗が私の顔をのぞきこんだ。
いけない、2人がいるのに私……。
また、ボーッとしてると思われる。
「大丈夫……」
私はなんとかそう返事をして、髪を耳にかけた。
「……嘘が下手だな、俺にはお見通しだぞ」
「え??」
「湊、嘘つく時髪を耳にかけたり、とにかく髪を弄るからな」
いつの間に……そんな癖を見られてたんだろう?
この癖を見破られたの、初めてだ……。
それに驚きながら、私は海斗の顔を見つめ返す。
「親友が亡くなってるとか……辛いだろーが」
「……でも、傍にいる……」
ボソリと呟くと、今度は海斗が驚いた顔をした。
「え、どういう意味だ?」
「あっ……と、間違えた……」
私、本当に嘘が下手だな。
無意識に、思ったことを口にして……はぁ。
もう、馬鹿すぎてため息が出るよ。


