「私ね、湊ちゃんに『大丈夫』って、『傍にいるよ』って言われた時、スッと不安が消えたんだ」
「文子……」
「まるで、魔法の言葉みたいだった」
魔法の言葉か……。
不思議だな……文子が、昔の私に重なる。
「私も、人付き合いとか苦手だったんだけど……私には、私を明るい方に引っ張ってくれる親友がいるんだ」
「湊ちゃんには親友がいるんだ、ふふっ、羨ましい」
「うん、自慢の親友」
迷いなくそう言える。
早織がいたから、私は1人じゃなかった。
「よくね、私が不安な時に言ってくれるの。湊、大丈夫だよって……」
「じゃあ、あの時の言葉は……」
「そう、早織が私にくれる、魔法の言葉なんだ」
早織は、私と正反対で、明るくて人を惹き付ける光だ。
その光に、いつも救われてた。
『ありがとう、湊。魔法の言葉だなんて、なんだか恥ずかしいけど、嬉しい』
話を聞いていた早織が、ニコリと私に笑いかける。
どんな姿になっても、あなたは私の光だよ、早織。


