「でも……湊、めちゃくちゃカッコよかった。俺マジで惚れそうになったわ!」


「え……っ」


ほ、惚れそうになったって……。


――ドキンッ。


やだこれ、なんだろう……。

そう言って照れくさそうに、はにかむ海斗に、目を奪われる。

心臓が、鷲掴みにされたみたいに、苦しくて切ない。

海斗から、目が離せなくてドキドキする。



「よく頑張ったな、湊」


ポンッと頭に乗せられた手に、また鼓動が大きく跳ねる。


「こ、子供扱いやめて……」


「よしよし、可愛いんだから、いいじゃんか!」


ニコニコ笑って、海斗は飽きずに私の頭を撫でる。


それが堪らなく恥ずかしい。

どうして、私に構うのっ。


まるでじゃれ合うように海斗の手から逃げる。


つい数日前まで、うっとおしくて仕方なかったのに。

今は……海斗の持ち前の明るさに、私まで明るくなったみたいで……。

少しずつ、私自身さえ変えていく海斗の存在に、心地よさも感じてる。


そんな攻防戦が続く中、私は自分の中に生まれる新しい感情に、一人あたふたするのだった。