「あ、湊も楽しそーじゃん!」


「……なっ、違うし。あ、あぁ、今終わったんだ?」


恥ずかしさを紛らわすように慌てて平然を装う。

すると、海斗はムッとした。



「おい湊ー、お前なんだそのやっと終わったかみたいな態度は」


そして、いつもより低い声でそう言った。


そんな事言われても、照れ隠しについ出ちゃった言葉なんだから……仕方ない。



「そんな事言われても……」


「よーし、そういう事言う口は……こうだ!!」



海斗が私の顔を片手で持ち上げる。

軽く親指を私の口の中に入れて、無理やり口を開かせると……。



「んぐ!?」


「季節限定、オレンジポッキーやるよ」


そう言って、いつの間に開封したのか、ポッキーを私の口の中に突っ込む海斗。

口の中で、ほんのりとオレンジの甘さが広がる。



「旨いだろ?」


「んぐっ……ゴクンッ。旨いけど、危ないでしょ!」


喉に詰まったらどうしてくれんのっ。

優しいと思いきや、時々強引で……。


本当に本気で、海斗ってよく分からない!!



「明日は、湊の分も買ってきてやるよ」

「結構です!」

「ハハッ、遠慮すんなって!」


遠慮じゃない!!

でも……私が何を言っても、嫌な顔せずに笑ってくれる。


大人っぽくて、男らしくて……時々子供っぽくなる海斗のことが……。


私は純粋に知りたいと、思い始めていた。