『私は、ずっと湊の傍にいるよ』
「っ……うんっ」
早織の言葉に、視界が歪んだ。
胸から、喉元まで迫り上がる悲しみに、私は早織から視線をそらす。
だって、どんな顔して……早織を見たらいいのか……。
嬉しいのに、いつか終わりが来てしまうような、そんな不安に駆られて、怖い。
早織の言葉を信じてるのに、どうしてか……。
早織は私を置いて行ってしまう、そんな日が来てしまうんじゃないかって不安になるんだ。
それを悟られないように、私は本へと視線を落とした。
***
どれくらい時間が経っただろう。
いつの間にか眠ってしまっていた私は、何かが頬に触れる感覚で目が覚める。
「ん……?」
ゆっくりと目を開ければ、視界いっぱいに広がる、海斗の顔。
「え……」
「あ、悪い、起こしちまったな」
私の頬に触れながら、申し訳無さそうな顔をする海斗に、みるみると目を見開く私。
ちょっと……これはどういう状況?
海斗がどうしてここにいるの?
っていうか、なんで私に触ってるのっ。
起きたばっかりで、うまく頭が働かない。