「ありがとう、早織」


少しだけ、自分を好きになれそうだよ。

早織が私を認めてくれる度に、私は自分に価値を見いだせる。


『私の気持ちを伝えたかっただけ!』


「ふふっ、うん……分かってるよ」



あ、でも……。

早織のこの言い方、なんか海斗に似てるかも。

あれ、海斗が早織に似てるのかな。

どちらにせよ、2人の言葉や纏う空気感が似てる。


ジャージを貸してくれた時、俺がしたくてしたんだって、そう言ってくれた。


海斗は……本当に、いい人なのかもしれない。

まだ、早織以外の人を信じるのは怖い。



「だけど、海斗なら……」


「うっし!次も決めるぞー!!」


バスケットボールを脇に抱えて、みんなに声をかけてる海斗を遠目に見つめて……。


信じてみてもいいかもそれない、そう思った。