そして、私が泣き止むと、海斗は男子達の輪に戻っていく。
私と同じで、後半の試合だったから……。
じゃあ、海斗もバスケの試合するのかな。
「おい海斗ー!どっちがゴール決められるか勝負しよーぜ!」
「はぁ?無茶言うなよ、お前バスケ部だろーが!」
同じクラスの男子に肩を組まれながらコートへと歩いて行く海斗。
「海斗、バスケ部入れるくらい、バスケうまいじゃん。だから、大丈夫だって!」
海斗、バスケ出来るんだ……。
帰宅部なのに、すごいんだなぁ。
そんなことを考えながら、男子達とコートへ入って行く海斗の姿を、つい目で追ってしまう。
『気になるの、湊』
すると、ニヤニヤしながら早織が私の隣に座った。
「別に、そんなんじゃないよ」
『素直じゃないなぁ』
その視線がなんだか居心地が悪くて、プイッと背けると、早織にクスクス笑われる。
もう、絶対からかってる。
海斗のことなんて、どうも思ってないよ。
そう、どうも……。
でも、なぜか自分に言い聞かせてるみたいで、私はまた、勝手にモヤモヤしだす。


