「何を、抱えてるのかは知らねぇけど……。俺が必要になったら、いつでも言えよ?すっ飛んで行くからな」
――ポンッ。
ジャージ越しに、海斗の手のひらが私の頭に乗った。
その体温を感じながら、私は目を閉じる。
海斗の手、あったかいな……。
さっきまであんなに悲しかったのに……不思議。
少しずつ、傷が癒えるみたいに胸の痛みが引いていくんだ。
「ありがとう……海斗……」
だから、素直にそう口にしていた。
「俺がしたくてしてるんだよ、だから湊は気にすんな」
ジャージの向こう、海斗がどんな顔をしてるのかは分からないけれど……。
きっと、私を労るように微笑んでるんだろう。
私にそう思わせるくらいに、海斗が真っ直ぐな人なんだって思い知らされて……。
たまらなく、この人を信じてみたくなってしまった。


