学校へやってくると、私は迷わずに窓側一番前の自分の席に向かう。

その途中で、真ん中の一番前に座る海斗と目が合った。


「うっす、湊!」


「…………」


ちょっと、昨日私が言ったこと忘れちゃったの?

もう関わらないでって言ったのに……。


それにイライラしながら、私は海斗を素通りして、ガタンッと席につく。



そして、カバンから教科書を取り出していると、私の席に海斗がやってきた。



「おーい湊、素通りすんなよなぁー?」



ムッとしながら、私の席の前にしゃがむと、あろうことか、私の机に肘をついて軽く睨んでくる。


なっ……んでこの人、私のところに来たの?

あれだけ、海斗のこと拒絶したのに……。



「ねぇ、ねぇなんで海斗くん真木さんと話してるだろう」

「ええっ、ありえない!!」



しかも、周りの女子の視線が刺さる。

本当に、迷惑なのにっ。



「私といると、白い目で見られるよ」



最後のトドメだ。

みんなに嫌われるなら、私から離れた方がいいって、普通は思うよね。

だから、早く私の前からいなくなってよっ。



「あ?そんなのどーでもいい、俺が湊と話すのに、他人の許可なんか必要ねーだろ?」



早くいなくなって、そんな願いを込めて言った言葉は、即刻却下された。