「それなら……年収め、恋人と最高の思い出作るってのはどーですかね?」
「どうですかって……え??」
ニヤリと笑う海斗に、私は戸惑う。
何かを企んでる顔してるんだけど……。
海斗となら、きっとなんでも楽しいんだろうな。
海斗の魅力的な申し出と、クリスマスムード全開な街の賑やかさにワクワクしてくる。
「俺達、まともにデート出来てねーじゃん?だから、俺とデートして欲しいっつーか」
「そういえば……ふふっ、そうだったね」
図書委員やら、私の病気のことやらで休まる時間が無かった。
こうして改めてデート出来るのは、嬉しいな。
海斗と、思い出を重ねていきたい。
そして、思い出す度に幸せだなって思えるの。
「うん、もちろん行きたい!」
海斗と繋いだ手にギュッと力を入れて下から顔をのぞき込めば、まんべんの笑みが返ってくる。
海斗の、この子供みたいに無邪気な笑顔、好きだな。
「よっしゃ!んじゃ、エスコートしますよ」
繋いだ手を軽く持ち上げて、手の甲にキスをしてくる。
わざとらしいその仕草に、「ぷっ」と吹き出してしまった。


