「……いつまでも親友に挨拶しないで……本当にごめんっ」


ずいぶん、待たせちゃったよね……。

だけどね、ずっと会いたかった。

今までも幻として早織には会ってたけど……。

ちゃんと向き合って、ここへ来たかった。


「早織……っ」


あぁ……。

本当に、いなくなっちゃったんだな……。

この世界から、本当に消えてしまったんだ。



「今でも不思議な感じなの……。また、早織が私に会いにきてくれるような、そんな気がして……」



早織を失ったあの日から、私は早織の『死』をわかっていながら、認めたくない気持ちもあって……。


今はみんなのおかげでやっと、早織のことをちゃんと受け入れることが出来た。



「これも……私の生活には……いつも早織の存在があったからだねっ」



どこへ行くにしても、何をするにしても一緒だった。

だから、ふとした瞬間に早織がいてくれたらって思うんだ。



でも、そうやって寂しくなる時は……。

早織と重ねてきたたくさんの思い出を思い出すから。


鮮やかさを失わない早織と過ごした時間。

それだけで、きっと笑顔になれる。