あれから、3ヶ月が経った。
12月、学校は冬休みに入った。
そして、刺すような冬の寒さの中、私は海斗とある場所へやってきている。
――ピーンポーン。
「はーい……って、湊ちゃん??」
「お久しぶりです……真央ママ」
そう、ここは、早織の家。
そして、私たちを出迎えてくれたのは、少し痩せた早織のお母さん、真央ママだった。
「遅くなってすみません、早織に……会いに来ました」
そう、私たちはお線香をあげに早織の家に来た。
早織が亡くなってから、お葬式にも、お線香にもずっと来れなかった私。
早織の『死』と向き合えて、気持ちの整理がついたらここへ来ると決めていた。
「そんな……いいのよ、湊ちゃんには辛い思いをさせてしまったから。さぁ、2人ともあがって?」
「「ありがとうございます」」
私達はお母さんに促されるように家へと足を踏み入れる。
「ふぅ……」
何度か、早織に連れられてきたことがあるお家。
だからか、あの頃の楽しい日々を思い出して涙が視界を歪めた。
「……大丈夫、一緒に行こうぜ、湊」
すると、海斗がギュッと私の手を握る。
その瞬間から、血の気の失せて冷えていた手に体温が戻っていくようだった。