「親友を失った痛みにも立ち向かおうとした、湊は強い子だ。だから大丈夫……」
海斗は、静かに私を抱き寄せる。
その温もりに縋るように頬をすり寄せた。
「こうしてるとホッとする……」
「っ……そうか、ならずっとこうしてる」
動揺した声が聞こえた。
それだけで、海斗が照れた顔をしてるんだろうって分かった。
それに、愛しさが増す。
ホッとするのは、海斗が大好きな人だからなんだろう。
家族や友達とは違う……安心感があるんだ。
私を守ってくれて、愛してくれて、愛したいと思える人。
「もし……もし、うまくいかなくても、湊には俺がいるからな」
「海斗……」
トクンッと、胸が高鳴る。
やっぱり海斗はすごい。
私が一番欲しい言葉をいつもくれるから。
私を理解してくれる人……今までなら早織しかいないと思ってたのに……。
不思議、今は海斗や文子、尚先輩……。
たくさんの人に支えられてるって思い知る。


