「そんなお母さんに、どう接したらいいのかな……」
「……湊ちゃん……」
文子が、私の背中をさすってくれる。
その手に少しだけ心が軽くなった。
「ありがとう、文子」
「ううん、でも……その気持ちは、ちゃんとお母さんに伝わるよ。だって、2人はこんなにもお互いを大切に思ってるんだから」
そうだよね、唯一の家族なんだ。
この気持ちを伝える方法がきっとあるはず。
「言葉で言えないなら……何か物を贈るとかかな?」
「じゃあさ、お母さんにご馳走でも作ってあげたら?湊の料理おいしいし!」
私が尋ねると、尚先輩が答えてくれる。
ご飯か……それ、いいかも。
いつも仕事で大変だろうし、感謝の気持ちも込めて。
「お、いいじゃん!なら、買い出し手伝うけど?」
「海斗……いいの?」
「当たり前だろ、彼女のためだからな」
当たり前って、言ってくれるんだ。
なんか、すごく嬉しい。


