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トボトボと、さっき先生から言われた言葉を頭の中で巡らせながら、海斗に手を引かれて病院を出た。
「湊、見てみろよ」
「え……?」
病院を出て、学校までの道のりを海斗と歩いていると、不意に海斗が足を止める。
海斗、急にどうしたんだろう?
不思議に思って海斗の横顔を見上げると、海斗の視線は、私たちが歩くイチョウ並木へと向けられていた。
「すっかり秋になっちまったよなぁ」
「え、あ……本当にね」
海斗が、しみじみ言うのも分かる。
季節がすぎるのってあっという間なんだ。
海斗たちと仲良くなった梅雨の6月も、海へ行って、夏の思い出を作った7月、8月も……。
「まるで、呼吸をするみたいに……早織がいた時間も、遠い昔になっていくのかな……」
「湊……」
早織……。
あなたがいなくなって、もう一年が経とうとしてる。
私は結局、いまだに早織のお墓参りにも行けてない。
受け入れられないんだ、ずっと。


