「あ?別に、お前のこと気持ち悪いだなんて思ってねーよ?まぁ、不思議だとは思うけど」
「……え?」
高橋くんは……私のこと変だって思ってないの?
「ミステリアスって感じだな。俺のばあちゃんがよく言ってたんだけどよ、女はミステリアスな方が魅力的なんだと」
ミステリアス……。
まさかの、斜め上の回答。
これは、尚先輩以上の返しで、私は戸惑ってしまう。
「…………」
おばあちゃん……?
なんなんだ、この人は。
どうしよう、次の言葉が見つからない。
というか、高橋くんの言ってる意味が分からないっ!
『おーい、湊、大丈夫??』
「あっ……う、うん……」
つい、フリーズしてしまった私に、早織が声をかけてきた。
ここに早織がいてくれて良かった。
多分、この調子で高橋くんと話してたら、永遠に固まってただろう。
「なぁ真木、真木はこれからどっか行くのか?」
「え……委員会だけど」
そういえば、高橋くんはどうして教室に?
高橋くんって、確か帰宅部だったと思うけど……。
不思議に思ってると、高橋くんは頭をガシガシと搔きながら、苦笑いを浮かべた。
「俺、帰ろうと思ったら定期学校に忘れてきたの、途中で気づいてさ」
「あぁ、それで戻ってきたんだ」
「そーゆーこと。でも、定期忘れて良かったわ」
うん?
それって、どういうこと??
意味不明な発言に首を傾げてると、高橋くんがニッと笑う。


