「頭、痛いっ……」


「湊、落ち着け!!今、目が覚めたばかりなんだぞ!!」



だって、落ち着いてなんていられないよっ。

ねぇ早織……!!

ずっと傍にいるって約束……したよね?

早織と、ずっと離れないって……。



「ううっ……早織っ……」


「湊……お前……。そっか、俺が思ってた以上に……湊は、心に傷を負ってんだな……」


そう言って海斗は、ベッドに座る私を抱きしめる。

その温もりに、少しだけ頭痛が引いた気がした。


――ガラガラガラッ。


「海斗、湊ちゃんのお母さん連れてきたよ」


保健室に入ってきた文子と尚先輩の後ろに、お母さんの姿があった。

私の事、海斗たちが連絡してくれたのかな……?



「みんな、湊の傍にいてくれてありがとう。……湊、最近倒れることなんて無かったのに、もしかして……」


「お母さん……」


傍にやってきたお母さんが、泣きそうな顔で私の手を握ってきた。



お母さん……心配かけてごめん。

こうして倒れたのは、早織が亡くなった時以来。

早織が私の前に現れてからは、頭痛も随分落ち着いてたのに……。