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静かに、風が髪を撫でるのを感じて、私はゆっくりと重い瞼を持ち上げた。
すると、茜色の光が窓から差し込んでるのが分かる。
「ここ、は……」
「湊、目が覚めたんだな!」
すると、視界いっぱいに海斗の顔が広がった。
海斗……?
海斗がいるってことは、家じゃないよね。
じゃあ、ここは……。
「保健室だよ、お前あの後、気を失ったの覚えてるか?」
それは……なんとなく覚えてる。
私あの時……そうだ、早織は!?
「早織……早織っ!?」
――バサバサッ。
飛び起きて、私は周りを見渡した。
「湊!?」
「早織、早織どこにいるの!?」
だけど、早織の姿はどこにも無い。
まさか、本当に早織……消えちゃったんじゃ……っ。
「早織っ!!」
――ズキンッ。
痛いっ……頭痛が、頭が割れそうになるっ。


