「湊、今度からは、俺を頼れよ?」
「もう、十分頼ってるよ」
「足りない、俺は湊のことすげー甘やかしたいわけ。だから、もっと甘えろ、分かったか?」
わぁ……すごく、愛されてるなって……自分で言うのもなんだけど、伝わってくる。
誰かに、こんな風に想われることなんて、海斗と出会わなければ一生知らなかったのかもしれない。
私、今すごく……幸せだな。
本当なら、こういうの早織に一番に話したかった。
相談だって、聞いて欲しかった。
「って……ううん、早織は今も傍にいてくれてるのに……」
私、何過去形みたいに話してるんだろう。
……そう思った瞬間だった。
『ねぇ、湊』
突然、私の前を歩いてた早織が立ち止まる。
早織、急に立ち止まってどうしたんだろう。
不思議に思って、自然と私も足を止めた。
「湊、急に立ち止まってどうした?」
「えっと、早織が……」
「あぁ、傍にいるんだったな。湊、早織になんかあったのか?」
そんな私を急かすことなく、見守ってくれている海斗に甘えて、私は早織に近づく。


