――ドキンッ、ドキンッ。


あぁ……心臓が騒いでる。

止められない……この、溢れんばかりの、駆け巡る想いは……。

そう……まぎれもなく、『恋』だ。



「湊っ……俺……やっぱり間違いねぇな」


「っ、海斗……」


海斗に手を取られて、そっと海斗の胸元に持っていかれる。


――ドキンッ、ドキンッ。


すると、手のひら越しに、海斗の鼓動を感じた。


「か、海斗もドキドキしてる……」


「馬鹿、あたりまえだろ。好きな女に触れたんだから……」


私も海斗も同じ……お互いに、ドキドキしてる。

そっか、海斗の気持ちも……同じ。

それが……ありきたりなことしか言えないけど、すごく嬉しい。



「初めてあった時から、湊のことが気になってた。最初は好奇心だったかもしれねーけど……」


そう言って、海斗の大きな手が、強く私の手を握りしめた。

その温もりに、鼓動はもっともっと加速していく。



「湊の無表情を見る度、もっと笑わせたいって、悲しそうな顔見る度、俺が守ってやりたいって思った」



――トクンッ。



海斗……そんなこと、考えてたんだ。

そんな素振り、見せてたかな?

全然気づかなかったよ……。



「これからは、俺が湊のこと……守る。もちろん、湊が大切に思うものごと、全部な」


「あっ……」



それは……私の、すごく欲しい言葉だ……。

私のことだけじゃない、私の大切に思うものごと、守ってくれるって……言ってくれた。