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放課後、私は誰もいない教室で、窓から見える空を眺める。
前に、早織と夏休みの予定を立てた時も、こんな茜空だったな。
「綺麗だね……」
『そうだね、だけど湊、図書室に急がなくていいの?』
飽きずに空を見上げてる私に、早織が苦笑いで尋ねてくる。
そう、今日は図書委員会の仕事があるんだけど……。
にしても、最近は本なんて誰も借りに来ないし、ほとんど暇なんだよね。
『今日も尚先輩と委員会かぁ〜』
「うん、そうですよ」
今日はちょっと……。
訂正、かなり個性的な三鷹 尚(みたか なお)先輩と図書委員の仕事で一緒なのだ。
『尚先輩って、イケメンなのに残念だよね。なんというか……個性的?』
「ふふっ、私もそれ思った」
でもまぁ……。
こんな、クラスで浮いた私にも、普通に接してくれるから、尚先輩の事は好きだ。
もちろん、尊敬する先輩として。
「でもさ、尚先輩って変わってるよね。私みたいな人間にも普通に話しかけるなんてさ」
私の噂のことは、私の同じクラスの図書委員の子に聞いてるだろうし。
図書委員は基本2人で当番をするんだけど、私と組むって言ってくれのも、尚先輩だった。


