「ど、どうしたの……?」
息を整えて、海斗を真正面から見上げる。
海斗は、ジーンズに紺のシャツ、ボーダーのカットソーを重ね着していた。
首元に輝くシルバーのアクセサリーも、なんだか様になってて、海斗はすごく……カッコよかった。
「いや、その……っ」
「なーんだ海斗、見とれてるのか!」
すると、海斗の隣にいた何先輩がニヤッと笑って海斗の肩に手を回す。
見とれっ……!?
海斗が私に……ない、ない!!
「なっ、違いますよ!!いや、違くはねーけど、ここでは言いたくないっす!」
言ってるよ、海斗……。
もう、恥ずかしいからやめて欲しい……。
「似合いすぎて、言葉失ったとか……絶対に言わないっす!」
「か、海斗……」
海斗の公開褒め殺しに、私の顔はすっかり赤くなった茹でたこ状態。
そんな私たちを、文子や尚先輩は楽しそうに見ていて、それもまたいたたまれない。
「と、とにかく……ファミレスに行かない?」
お願いだから、今すぐにでも行こう。
出来れば、この場所から退散したい。