『私は……湊に大切な人を見つけてほしい。そして……いつか、私を……』
――ガラガラッ。
「湊、制服持ってきたぞ……って、先生はいないのか??」
何かを言いかけた早織の言葉は、途中で入ってきた海斗によって遮られた。
海斗も着替えてきたのか、制服姿になってる。
「早織……」
早織の方を見れば、もう話す気はないのか、静かに微笑んで、一歩後ずさった。
早織、何を言いかけたんだろう……。
聞かなくちゃいけない言葉だった。
だけど、聞くのが怖いような……どうして、こんなことを思うんだろう。
「俺、外で待ってるから着替えてこいよ」
その代わりに、海斗が私に近づいて、制服を手渡す。
「うん、ありがとう」
それを受け取って、私はベッド周りのカーテンを閉めた。
そして、先生のくれた下着と、海斗が持ってきてくれた制服に着替える。
温かい……。
自分では気づかなかったけど、体はすっかり冷えきってたみたい。


