――ガラガラッ。
「まぁ大変、随分濡れてるわね!」
保健室へ入ると、保健室の先生が私の姿を見て驚きの声を上げた。
「湊、そこに座れ、俺、湊の制服持ってくっから」
海斗は私をベッドに腰掛けさせると、すぐに教室を出ていってしまう。
あ、海斗……。
着替え、持ってきてくれるのは嬉しいけど……。
今は、1人でいるのは……不安だな。
「さぁ、これに着替えてね」
「ありがとう、ございます……」
それを心細く思っていると、保健室の先生が、私に下着の着替えを渡してくれた。
「私、これから職員会議があってね、少しだけ離れなくちゃいけないんだけど……大丈夫かしら」
「あ、はい……」
心配そうに見つめてくる先生に、私は小さく笑って頷いた。
それに頷いた先生は、そのまま保健室を出て行ってしまった。
「…………」
そして訪れる沈黙に、私はまた不安になる。
いけない、ボーッとしないで下着だけでも着替えないと。
海斗も、戻ってくるんだし……。
そう思うのに、体はいっこうに動き出そうとしてくれない。


