真知は、中3の時うちのクラスに転入してきた転校生だった。

栗色のふわふわのねこっ毛で、いつも髪を気にしてた。肩に届かない、短い髪。

おとなしくて、あんまりしゃべらないから最初は‘この子このクラスでやっていけるかなぁ。’と思った。


でも、そんなの思い過しだった。


話してみれば、よく笑う笑顔の似合う可愛い子だった。


私とは、正反対のやさしい子。


『私も真知みたいになりたかったなぁ。』


「なっ何で//??」


『だって、栗色のふわふわ髪だし、優しいし、可愛いし、素直だし全部いい。』


中3の時、教室で居残り課題をしてたとき、課題を教えてくれた真知にそういった事がある。

『私なんて、髪真っ黒だし、背だってでかいし、我儘だし、頭悪いし、いいとこないもん』

ぶぅたれてる私に、真知がクスクス笑いながら言った。


「私は、美羽が羨ましいよ。いつも、明るくて、まっすぐで。」


『えー、まっすぐぅ?!』

「うん。まっすぐ。自分の気持ち素直に言えるし。嫌なことは‘嫌’って言えるし…。それに、美羽は嘘つかないもん。私に無いものいっぱい持ってる。」