バチッと開いた猫みたいな目が、俺を捉えた。 あ、起きた。 「キミさ、ちょっといい?」 どいてほしい。 キョトンとした顔は何も知らなさそうな純粋さを纏っていた。 「あなた、お名前は?」 へ!? 「ねえ、あなた。お名前は?」 唐突に名前を聞かれて俺は驚きを隠せないわけで。 「わたしはミチカ。イリノ ミチカ。」 これが俺とお前の出会い。