「じゃあ、良い子にしてるのよ?お母さんはお買い物に行ってくるからね。」
「もう子供じゃないんだから、分かってるってば。大丈夫。お姉ちゃんのことは任せておいてね。」
「宜しくね。」

お母さんは東京までショッピング。
同窓会っていうのがあるらしい。
私には、一生ない行事。
寂しいな。

「・・・・・・・・・・・・行ったよ。」
「うん。」
「良いんだよね?」
「うん。」

もう、決断したのだから。
前に進むんだ。

充電式じゃない車椅子に座って
私は手で漕ぎ出した。
少しの荷物とお金を持って。

私達は旅に出た。
何も知らない、私が。