パートナー













「いただきます」
「田中さんの隣嬉しいな~♪」
「そうかな……」

今日はすれ違ってもシンナーの匂いがしない。
仕事休みだったのかな……?

愛海は、田中さんが好きなんだ。
確信はあるけど辛い。
私なんか、候補にも入らないよ……
だって私は……。

「田中さんのお部屋行っても良いですかぁ?ちょっと見せたいものがあるんです~」
「え……良いけど。後でね」
「やったぁ!」

愛海が不機嫌そうな顔をしない。
それは嬉しいけど
私がパンク寸前だった。

「ねえ、愛海ちゃん……」
「何、お姉ちゃん」
「田中さんに迷惑じゃない?」

愛海の顔は見れなかった。
けど、耐え切れない弱さだった。
怖い。
田中さんが愛海に取られるのは。

「そんなのぉ、お姉ちゃんなんかには関係なくね?つうか、愛海が何処言ったって良いじゃん。勝手にお姉ちゃんの都合だけであたしやめないからね?」
「でも…………」
「…………」

皆が見てた。
姉妹喧嘩なんて普通だけど
私達は違った。

だって、私は愛海なしじゃ
ここでは生きられないから。

「もう、お姉ちゃん甘えないでよ」
「…………ごめんなさい」

愛海の視線が怖い。