部屋に帰ってから、掃除とか荷物の整理とかをしていた。私は専ら座っているだけで、何となく、申し訳なかった。
“ドサッ。”
「これで終わり。」
「お疲れ様。何か、ごめんね。」
「良いの、家族じゃん。」
家族。
単純なものなのに、こんなに心強い。
家族って良いもんだな。
「じゃあ、お風呂行く?」
「うん。」
私の場合、お風呂はシャワーだけ。
湯船に浸かるのはあまりない。
気持ち良さそうって思う。
それに、一人でお風呂に入れないなんて、やっぱり恥ずかしいもので……。
「特別に貸してくれるみたい。」
「そうなの?」
「言ってたよ。」
優しいのは分かるけど、年頃の時も。
障害が本当に憎かった。
「じゃあ、行こう。」
「うん。」
“ガチャッ。”
愛海が開けると簡単に開くドア。
力もない私は何もできない。
ああ、情けない。
情けないよなぁ、私。
「おいしょ。」
「何か……ごめんね?」
「謝んないでって。」
障害者になって辛いのは、自分と健康な人の身体や能力を比べてしまうこと。
それが何だか置いていかれるように思えて怖かった。ずっと遠くに思えて。
「……ごめんね?」

