「じゃあ、田中さんの所に行ってくるね。」
沈黙に痺れを切らしたのか、愛海が立ち上がる。
まあ、私でもそうなるだろうな……。
「うん。行ってらっしゃい。」
「直ぐ帰るからね。」
“ガチャッ、パタン。”
扉を閉めたら温い風が吹いてきた。
孤独、久しぶりに感じた。
今までずっとお母さんは横にいて
愛海は中卒で世話をしてくれて
独りになんかならない毎日。
何だろう、胸に通るこの風は。
寂しい。
「…………。」
“ギシッ。”
床の軋む音が静かに響く。
眠くないのに眼を瞑る。
駄目だ、耐えかねる。
弱いなぁ……。
「あぅふ……。」
欠伸と伸びを一緒にする。
開放感?
自由って案外寂しかった。
でも、ここじゃ終われない。
家も出来たんだから。
ここで、頑張るんだ。

