“チリリリリン。”
「凄い、皆元気で。」
「そうだね。」
窓辺に座らせてくれた愛海。
本当に感謝しなくてはいけない。
嬉しい。
その優しさが、愛しい。
「……自転車、良いね。」
「うん。気持ち良いよ。」
そっと、自分の足に触れた。
何も感じない。
ただ、手に残る感触。
気持ち悪い。
涙は、もう出ないよ。
「良いな、私も乗りたかった。」
体勢を変えて窓際に寄り掛かる。
風が頬を撫でる感覚が愛おしい。
ゆっくり眼を瞑った。
「それなら、遠くに行けたのにな……。」
「…………。」
返事は返ってこなかった。
困らせた、私。
ゴメンね、頼りないお姉ちゃんで。

